それから俺は、ばあちゃんの言葉を思い出して、入学式以来の学生服に身を包んだ。


実際は家にこもる事に、飽きてしまっただけで。


ばあちゃんに会えない俺は、学校に行く以外、暇を潰す方法が思い浮かばなかったんだ。


ほんの数回行った学校で、武士と仲良くなった。


見てからにがらの悪そうな、髪の毛の色と変形の学生服だったが、話すとおもしろい奴だった。


武士に連れられて街に出ると、武士の先輩や友達とも仲良くなった。


みんな髪の毛はインコのように黄色くて、変形させた刺繍の入った学生服を着ていた。


学校へはすぐに行かなくなった。


みんなでバイクを乗り回した。


誰かの家や公園、コンビニの前や河川敷、あらゆる所に溜まっては、くだらない話をひたすらした。


この頃、俺は初めて女を知った。


ナンパで引っ掛けた女だった。


そんな生活は、それなりに楽しかった。


その間に、ばあちゃんの容体はどんどんと悪くなっていたのに。


俺はただ、面倒くさい事に背を向けて、楽な方、楽な方へと流される事に、気付かないふりをしていたんだ…