「そういえば神谷、飯食った?」

「あ…いや、まだです」


「お前が遅いからだよ、アホ」
玲人とクロはもう帰るみたいだった。




「誠ちゃん、好きなだけ戒におごってもらって?」

「そうそう。俺らが許すから♪」

それだけ言うとラブラブで店から出て行った。



「神谷、何食べる?」

「へ?…いいですよ、おごってくれなくて」
二人が言ってたのを冗談だと思っていたらしい。




「はいはい、遠慮すんな。何食う?」

「いいんですか?」
むしろおごらせてくれ。
マジでデート気分。

これで敬語じゃなかったら本当に最高。




「当たり前だ。何がいい?」

「んとねぇ…」
メニューを見て考える姿だけでも可愛いと思う。



何が好きなのかなぁ。
好きなもの、嫌いなもの、誕生日、血液型…何も知らない。


何故か急に神谷が遠く思えた。