「・・なんであんなとこでこけるのかなぁ」



私は根っからのドジのようで。




さっきみたいにこけることなんて
日常茶飯事だし、物はなくすし
迷子になるし・・・。



天然とか鈍いとかそういうレベルではなく、
そういう基に生まれついたのだとか
言われる。




直そうと思って直せるものでもないから
仕方ないとあきらめてはいるのだけど。





「・・はぁ・・・。
でも、毎日こうだとなぁ・・」



私、一生こうなのかなぁ・・。





―――――



「ただいまー」



ドアを開けて入ると黒猫が
すり寄る。




「あ、クゥ。ただいま」




「ミャァーン」



抱き上げてリビングへ入ると




「あ、お兄ちゃん。早かったんだ」




「今日は母さんいないからな。
親父に早く帰れって言われたし」




「そっか・・・」


お母さんいないのかぁ。



私は無言でイスに座りクゥを下ろす。




「・・ねぇ、お兄ちゃん」



「なんだよ」



「私のドジって・・・
どうしたら治ると思う?」