高梨が最後に言っていた。
天使に人は殺せない、と。

そして12時を過ぎても、俺は痛みを感じることなく、死にもしなかった。

なぜかって?答えは簡単だ。陽菜の持っていたカッターは普通のカッター。
それで俺を刺したって意味はない。
“普通の”カッターなのだから。

俺は双子の遺体を見下ろして、呟いた。