「そんな風に、思ってくれてるなんて……知らなかった。私、誠人に嫌われてるって思ってた」 言葉って大事。 いくら心で思っていても相手に伝わらなければ意味がない。 花帆はずっと俺の気持ちを知らなかった。 伝えていないから当たり前なんだけど。 花帆は、久しぶりに『誠人』と呼んでくれた。 俺は感激した。 「お互い誤解してたってことか。俺は俺で、花帆に忘れられてると思ってたし」 「忘れるなんて…… ありえないよ」 暗くなるまで俺と花帆は、当時感じていた気持ちを話した。