REGRET ―忘れられない人―




何を話せばいい?



もしかしたら、あと数分で、花帆と話せるかも知れない。




タバコの火が、指に当たりそうになり、我に帰る。



「おっせー・・・・・・」



2本目のタバコに火をつけようとした時、山田さんがこっちに走ってくるのが見えた。




「どうした?」



「私、中入ってるからゆっくりどうぞ」




山田さんは、乱暴に俺に携帯を渡すと、勢い良く店のドアを開け、店の中に入った。





どういうこと?


この電話の向こうに・・・・・・


アイツがいるのか?




俺の忘れられない人が。






「もしもし」


『もしもし』






あぁ。


花帆だ。