同窓会で恋が芽生えるってよく聞くけど、俺にはありえない。
メールは奈美からだけでいい。
アイツからのメールと電話の量は、想像を超えていたから。
2年の時同じクラスだったってことは・・・・・・花帆を知っているんだろうか。
そりゃ知ってるよな。
花帆は、クラスで一番頭が良かったし、その上かわいかったから。
「あのさ!!」
俺は、がっかりする山田さんの肩に手を伸ばす。
山田さんは、もういいですと目を合わせずに言い、俺を拒否した。
奈美がいたら怒るんだろうな。
せっかくの接点だったのに!!って。
俺は向かいの席の女の子が頼んだイカの塩辛を食べ続けた。
「てか、女でイカの塩辛って!!どうなんだよ」
「新垣こそ、オレンジジュースばっかり飲んで、なんなのよ」
言い返してくる女は苦手だったのに、奈美のおかげでこういう女とも話せるようになった。

