会社の飲み会でもいつも乾杯のビールだけしか飲まない俺。
今日はちょっと飲みすぎた。
久しぶりの仲間との再会に興奮しているのと、花帆がすぐ近くにいるんじゃないかって感じて緊張している。
花帆のいない世界でずっと生きてきたから。
ここは、何となく花帆の香りがする。
花帆が知っているメンバー、花帆がここにいてもおかしくないメンバー。
「新垣君、メアド教えて欲しいんだけど」
突然背後から声をかけられた俺は、花帆のことを考えていたせいで思いっきり体をビクっとさせて振り向いた。
「え・・・・・・?俺?」
誰なのか思い出せないまま困っていると、隣に座っていた友達が口出ししてくれた。
「あ~!2年の時同じクラスだった山田さんでしょ?何??新垣のこと好きだったの?お前、やっぱモテんね~」
メールあんまりしないから、と俺は冷たく断った。

