2軒目の飲み屋に移動して、人数は少し増え、30人ほどになった。
同窓会の話が出てから数日で、こんなに集まるって本当にすごいと思った。
インターネット恐るべし。
「結構結婚してるんだね~」
隣のテーブルで結婚した同級生の話が始まっていて、俺の耳は完璧にそっちに吸い寄せられていた。
花帆の名前が出ないかと神経を集中させて、話を聞いていた。
「あのさ~、お前のクラスの頭良かった子いるじゃん。結構かわいくてさ、俺と同じ高校行った子。あの子、結婚したって聞いたけどな」
俺の考えすぎだろうか。
俺には、その話に出てきた子が、どうしても花帆に思えて仕方がなかった。
名前すら思い出せないその男を殴りたくなる。
花帆、お前は結婚したのか?
今、幸せなのか?
俺はそれが知りたいだけなんだ。

