「兄貴覚えてる?結婚したんだ」 兄貴に会わせたことはなかったが、花帆は兄貴を知っていた。 生徒会で一緒だった先輩が兄貴を知っていたとか。 「えーー!!ショック」 花帆は、わざとらしく悲しい顔をした。 「ばかか、お前は」 俺は花帆の頭をポンと叩く。 兄貴がよくやる癖。 「で……結婚式に出席しているときに、花帆のことを考えていた。どうしてるかなって」 ずっと考えないようにしていた。 考えると胸の奥が締め付けられるようだったから、避けていた。