『やべぇ…』
いっくんが呟いた
「え?」
肩からいっくんの顔が離れ、あたしを見上げた
距離が‥近い
鼻が当たりそうな距離
あたしの顔はりんごのように真っ赤になった
顔が熱い…
『フッ‥‥お前泣きすぎ』
そう言うとあたしの瞳から溢れている涙を服の袖でふき取った
あたしの顔はいっくんの香りで包まれる
あたし達‥"恋人"になったんだ…
そう思うと、急に恥ずかしさが胸でいっぱいになった
ど、どうしよう…
緊張で体が固まる
瞳はまだ潤っているまま…
ドクン…
ドクン…
するといっくんが溜め息を吐いた
『そんな顔してこっち見んな‥反則』
「え‥ごめんね」
シュンと顔を伏せる
『バカ‥違ぇよ…そんな色気でいっぱいの顔でこっち見んな‥って、言わせんな』
"ハア‥"いっくんは二度目の溜め息をもらした
ドクンッ
顔が熱さで上昇する
いろッ‥いいろけって…!!
カアアッ……
ギュッといっくんがあたしを包んだ
あたしも抱き返す


