『おはよう、みんな』
と、いっくんの一言。
次は名前を呼ばれる…
『相坂 欄』
『赤口 楊』
次はあたし…
『伊藤 真白』
あたしは少し声を震わして小さく返事をした
バクバクと心臓が弾む
いっくんの視線が痛い程に伝わる
その時、隣から声がした
『なぁ、今日暇?』
「え?あ、うん。部活ないし」
連を見て話す
『今日さ、一緒に映画行かねえか?』
えっ…?
『なんか昨日家にいとこ来てさ。んで、映画の無料チケット余ったから誰かと行ってこいと…』
そう言うと連は黙った
「何て映画なの?」
『んー何か、"夜空の下で君と"っつーやつ』
それって今話題の恋愛映画じゃん!
瞳がキラキラと光る
今金欠で行けなくて諦めていたのに今!無料チケットですと?
「い、いきたいっ」
にやける口元を両手で雇う
『おう。じゃ、今日な』
そう言って連は少し微笑んでから黒板に瞳を移した


