『短編集』


誰だっけ?

私の知り合い?


ひーちゃん、って呼び名は、

幼稚園の時にしか呼ばれることはなかった。

だから、この人は、

私が幼稚園のときに知り合った人のはずで。


私は、その人の顔をじっと眺めた。



・・まさかっ!



その顔は、たった今、私のまぶたの裏に浮かんでた人物に面差しが似ていて。

私は息をのんだ。


「こうた・・くん?」


「あ~!やっぱり、ひーちゃんだ!似てると思ったんだよ!!」


その笑い顔は、たしかにこうた君に似てるけど、

でも、低い声も、高い背も、広い肩も、昔とは全然違っていて。


その全てから、男の人の匂いがしている。

私は、心臓がばくばく脈打ち始めるのを感じた。