『短編集』


人でごった返しているデパートは、とても蒸し暑くて、外の寒さがうそのようだ。


「ねぇ、どれがいいと思う?

サトシはどっちのチョコが喜ぶかな?」


「メグの好きでいいんじゃん。

サトシは甘いもの好きでしょ?」


私の適当な返事に、メグは頬を膨らませた。


「もう!いいかげんなこと言うんだから。

ヒトミも、誰かにチョコ渡せばいいじゃん!

増田なんてどう?

あいつ、ヒトミに気があるみたいだし」


「う~ん、いいよ。

また来年にする」


私は、そっけなく答えた。