『短編集』


マナはそれだけ言うと、
背を向けて走り出した。


あたしは、追いかけることができなかった。

だって、マナがかわいそうって思う反面、
タクミがマナと付き合わなくて、
ほっとしている自分がいたから。



部活が終わると、タクミが声をかけてきた。


「話あるから、一緒に帰りたいんだけど。」


「うん、いいよ。」


あたしたちは、自転車置き場まで、
並んで歩いた。


「俺、さっき、お前の友達に自分の気持ち伝えたから。」


「自分の気持ち?」


「お前を好きって気持ち。」


ストレートなタクミの言葉に、
涙があふれてきた。