『短編集』


けど、タクミはあんまり興味なさそうだったから、
安心もしてた。

同じ剣道部ってことで、
“タクミ”“ナナ”って、
呼び捨てあう仲だったってことも、

自分は、“タクミの特別”な気がして、
ちょっと優越感を持ってたし。


・・けどな~、


「ねぇねぇ、タクミ君どうだった?」


「ん?昼休みに屋上で話すことになった。」


「ほんと?
ありがとう!ナナ!!」


小柄なマナに抱きつかれると、
あたしは思わず顔が緩んだ。

長いストレートの髪は、サラサラと柔らかく、
いい匂いがして・・、

女のあたしだって、クラッときちゃうよ。

自分の短い髪を思い浮かべて、
ため息をつく。

マナに想われたら、
さすがに、タクミも、嬉しいよね・・。