「七海(ななみ)~!」


私の姿を見つけて、
親友の花音(かのん)が走って来る。


いつもは、おとなしい花音が、大声で私を呼んで、しかも、満面の笑み。


・・ってことは、


「花音(かのん)、合格したんだね?
おめでとう~!」


花音と同じ高校に入りたくて、
必死に頑張ったんだ、私。


神様ありがとう、大好き!!
人生ばら色とは、このことだ。


「七海の声、あっちのほうまで響いてたよ?
また同じ学校だね。
よろしく!!」


きゃ~きゃ~、言って、
抱き合う私たち。

いやぁ~、
もう、このまま腹踊りでも
おどちゃいますか、ってくらいののりです。



と、

なにやら、妙な視線を感じて。


誰?