玄関の扉が閉まる音を合図に、俺は部屋から出た。
・・あ~あ、陸渡のやつ固まってるよ。
陸渡の背中からは、“哀愁”電波が発信されてる。
「陸渡ぉ~。夫婦喧嘩は犬も喰わぬって言うでしょ?
海渡兄と紫のことにはもう関わらない方がいいんじゃない?」
俺たちの故郷の島は過疎化が進み、子供の数はかなり少ない。
そんな中で俺たちは、本当の家族のように過ごしてきた。
俺と陸渡と紫と・・・海渡兄もそうだ。
一人っ子の俺にとって、
海渡兄は、本当の兄のように思ってて、大好きなんだけど、
島の有力者である陸渡の家は、長男と次男の扱いに雲泥の差があって・・・。
兄弟がくったくなく遊ぶには、大人の雑音が邪魔だった。
まぁ、そんなこと、理由にしちゃいけないんだけどさ。


