「えぇと、
ユカリさんという方は、ご在宅でございましょうか?」
いつもなら、偉そうな口をきく陸渡に言い返すはずの私のなめらかな口が、
この兄弟に挟まれて、へんてこな日本語になってるし。
陸渡は、そのまま鳥でも射落とせそうな睨みをきかせたまま、
仁王様のように玄関の前に立っている。
「じゃぁ、私はこれで・・・」
へらへら笑いを浮かべて、泥棒よりも上手に気配を消して去りかけると、
「今度は、どこに食事に行こうか」
って、背後から海渡さんの声。
ひいいぃっ!
なにぬかしとんじゃ~、このオヤジわっ!
「七海・・・」
「ひぃっ!」
「部屋にはいれ」
「・・はい・・」
陸渡の声は、迫力の極低音で、私の体はかちんこちん。
どうやら七海さんは、なめられっぱなしの運命みたいです。


