海渡さんに連れられていったのは、
こじゃれたレストランで、個室までリザーブしてあって。
困ります、なんて言いながら、一口食べると舌がとろけるって、こういうことね、
なんて、現金にも思ったりして。
やっぱ、男を忘れるには、食べもんに限る!
あれだけ陸渡を拒んでたくせに、勝手に失恋モードに突入してる私は、
あほちゃうか?あほですねん、って、心の中で一人乗り突っ込みを繰り広げる。
・・・さみしーわ。
なんて思ってたら、
「実を言うとね、今日は、紫の誕生日でね。
ここはそのために予約してあったんだ」
ゴクリ。
最後のデザートを飲み込んだ私の喉に、ゆっくりとアイスが広がっていく。


