私は、財布から735円を取り出して、 机の端に置いた。 「私、もう帰ります」 「いいよ、俺がおごるから」 「いいです。 私、海渡さんの彼女じゃありませんから」 そうだよ。 おごられてなるもんか! なにげに胸の中に発生したもやもや雲を 追い払うべく、うちにむかってダッシュした。