VOICE・2



「オマエさぁ…それ、天然?」

呆れ顔で呟いた俺に、何もわかってなさそうな顔をする。

「ん?それって、どれ?」

「………いや、いい」

なんだか訊いても無駄に終わりそうな気がして、俺は目の前で爽やかな笑顔を見せる、PRISONERのボーカリストを眺めた。

……ていうかコイツといると目立つ。変装の意味なくね?!

カジュアルながらもストライプのシャツの上にグレーのジャケット、スリムな黒のパンツに2連のチェーン、同色の皮の靴を履いた海斗の姿は、明らかに周りから浮いていた。