VOICE・2



目の前、ガラス越しに俺の顔を変顔を作りながら覗き込んでいる奴が一人……。

ソイツはにっこりと笑顔を浮かべてから、ガラスを離れ店の入り口へ向かった。

アイツ……ガキか?!

ぐいっと、危うく噴き出しそうだった口元を拭い、店内に入って来た奴を軽くにらみつけてやる。

しかし本人はそんな俺の冷たい視線にはお構いなしで、ニコニコ笑いながら俺の右隣のカウンターに腰を下ろした。

「おっはよ!んも~タキからお誘いなんて、俺嬉しくって!ドッキドキだよぉ~!!」

その台詞…最悪。

ズル、とカウンターについた肘がすべった俺。

相変わらず反対隣の女の視線が痛いんですけど……。