VOICE・2






――――………~♪♪♪



――…~~♪♪♪



――ケータイ?

うっすら目を開ければ、薄いカーテン越しに太陽の光が昼間だってのを知らせていた。

「………っ!?」

どんだけ寝てんの俺?!

ガバッと起き上がって、鳴り響く携帯電話を探した。

いつの間に脱いだのか、床に放り出されているジーンズのポケットから、喧しい着信音の元を取り出した。

「もしもし」

『いつまで寝てやがる、このバカノッポ!!』

………うざっ。

キャンキャン騒ぐ小型犬のようなライの声。

「あぁ~…悪い、今日なんかあったっけ?オフじゃなかった?」

寝ぼけてる頭をブルブルと振ってみるが、特に用事があったなんてこと、思い浮かばない。

『何もねぇよ!だから電話してんだろうが!』

「は…?意味わかんねぇ」

何かを約束していたわけではなさそうなのに、怒鳴られる訳が分からない。

だいたいライから電話なんて、年に一回あるかないかだ。すげぇ珍しい。

今日は何かありそうだ。

そんないや~な予感が脳裏を掠めた。