――――………~♪♪♪
――…~~♪♪♪
――ケータイ?
うっすら目を開ければ、薄いカーテン越しに太陽の光が昼間だってのを知らせていた。
「………っ!?」
どんだけ寝てんの俺?!
ガバッと起き上がって、鳴り響く携帯電話を探した。
いつの間に脱いだのか、床に放り出されているジーンズのポケットから、喧しい着信音の元を取り出した。
「もしもし」
『いつまで寝てやがる、このバカノッポ!!』
………うざっ。
キャンキャン騒ぐ小型犬のようなライの声。
「あぁ~…悪い、今日なんかあったっけ?オフじゃなかった?」
寝ぼけてる頭をブルブルと振ってみるが、特に用事があったなんてこと、思い浮かばない。
『何もねぇよ!だから電話してんだろうが!』
「は…?意味わかんねぇ」
何かを約束していたわけではなさそうなのに、怒鳴られる訳が分からない。
だいたいライから電話なんて、年に一回あるかないかだ。すげぇ珍しい。
今日は何かありそうだ。
そんないや~な予感が脳裏を掠めた。



