心地良い充足感が胸を占めていた。 ただ……その片隅に少しだけ。 「アイツらの音……良かったな…」 ふと、脳裏に蘇るPRISONERの姿。 楽しそうに、全身で音楽が好きだってのを表現して、キラキラした瞳でやってた彼らの姿。 ……俺もあの頃に戻りてぇなぁ…。 そんな思いが浮かぶ。 「あ、そうだ」 突然、今日楽屋で手渡された彼らのアルバムのことを思い出した。 のそりとソファから起き上がり、手荷物をガサガサと探ってみる。 指先に固い感触を感じ、それを掴んで引っ張り出す。