VOICE・2



心地良い充足感が胸を占めていた。

ただ……その片隅に少しだけ。

「アイツらの音……良かったな…」

ふと、脳裏に蘇るPRISONERの姿。

楽しそうに、全身で音楽が好きだってのを表現して、キラキラした瞳でやってた彼らの姿。

……俺もあの頃に戻りてぇなぁ…。

そんな思いが浮かぶ。

「あ、そうだ」

突然、今日楽屋で手渡された彼らのアルバムのことを思い出した。

のそりとソファから起き上がり、手荷物をガサガサと探ってみる。
指先に固い感触を感じ、それを掴んで引っ張り出す。