口をあんぐりと開け、俺の顔を凝視する櫻井が何かを言う前に、更に言葉を継いでやる。
「まあ…簡単に言えば、酔っ払った俺たちのせいで彩都が怪我して、二度とドラムを叩けなくなった。…それだけ」
「そんな……」
なんて言ったらいいかわからない。そんな顔をして戸惑ってる櫻井に、俺は肩をすくめてみせる。
「まぁ…起きちまったことはどうしようもねぇし。今更…」
「なんだよそれ」
ボソッと低い声がした。
振り返ればライが顔を上げ、こっちを見ている。
さっきまでの虚ろな瞳ではなく、しっかりとした意志のある瞳で。
「なんで《俺たち》のせい、なんだよ!?どう考えたってアイツの怪我は俺一人のせいだろ!?」
「………」
あぁ~~めんどくせぇ。
マジでそう思った。



