ショウの視線はただただステージの後方。
ドラムセットの後ろにいる珪甫だけに注がれていた。
珍しく目を丸くして固まっている。
……ま、そうなるのも当然、か。
視線の先にいるドラマーは、俺達に気付くわけもなく、高速のビートをいとも簡単に叩き出していた。
バスドラムの重い音が地を這って、腹にクる。そしてそのはるか上の天井を、軽やかなシンバルの音が響いていた。
口角を上げて満足そうにフロント3人の後ろ姿を見つめる眼差しは、すごく楽しそうだ。
その満足感溢れる表情が、俺の心にグサリと刺さる。
……ほんっと彩都に似てやがる。
それに……。



