VOICE・2



ショウの視線はただただステージの後方。
ドラムセットの後ろにいる珪甫だけに注がれていた。


珍しく目を丸くして固まっている。


……ま、そうなるのも当然、か。


視線の先にいるドラマーは、俺達に気付くわけもなく、高速のビートをいとも簡単に叩き出していた。
バスドラムの重い音が地を這って、腹にクる。そしてそのはるか上の天井を、軽やかなシンバルの音が響いていた。


口角を上げて満足そうにフロント3人の後ろ姿を見つめる眼差しは、すごく楽しそうだ。


その満足感溢れる表情が、俺の心にグサリと刺さる。


……ほんっと彩都に似てやがる。


それに……。