VOICE・2


そのオトは俺の耳から心臓まで一気に襲いかかってきた。

少し離れてるこの楽屋にいたって分かる。

……ハンパねぇ。
こいつらホントにインディーズバンドかよ!?

そう疑いたくなる程の演奏。

「ショウ…こいつら……」

思わず室内を振り返ると、いつの間にかショウは俺のすぐ後ろにまで歩み寄っていた。

その顔が驚きの色に染まっている。

たぶん、俺も似たような顔してんだろうな。

そう思いながら、ショウに声を掛けた。

「……行くか?」

「……あぁ」

浅く頷いたショウは、くわえていたマルボロメンソールを近くの灰皿に放り出した。