「中野さん……」

「でも今の君たちはもう以前の君たちとは違う。だから俺の力ももう必要ない。だろ?」

俺たち3人は、何も言えないままでしばらく中野の顔を見つめるだけしかできなかった。

だってあまりに予想外だったから……。










数分間の沈黙を破ったのは、躊躇いがちに口を開いた櫻井の声だった。

「あの……中野さん、そろそろ」

そう言って腕時計を見るマネージャーの様子に、中野は、あぁ、と軽く頷いて椅子から立ち上がった。

「さて、それじゃあ君たちに僕の後任を紹介するよ」

え?!

「後任………って?!」

どういうことだ?!って言おうとした口が“ど”の形のままフリーズ。

気付けば櫻井がいつの間にやら、いつか見たことのあるニンマリ顔をしていた。

わ、すげーヤな予感。

その手がゆっくりともったいつけたようにドアを開ける。