「でも……俺まだ……」
「書けるって。今のライなら、絶対に書ける」
マジでそう思う。
だから書けよ。
「ホントにそう思ってんの?」
「思ってる。……ショウもそう思わねぇ?」
に、とライに笑って見せながら助手席にいるショウの背中に声を掛ければ、相変わらず煙草を吸いながら、紫煙とともに返事が吐き出される。
「思うね」
確信に満ちてるそのひとことに、ライの口から短い息が漏れた。溜め息とも笑いともとれるそれの後、その唇が笑みの形に変わる。
「……っ。後になってやっぱり使えねぇとか言うなよ、オマエら」
「言わねぇよ、絶対」
「言ったな、タキ。忘れんなよそれ」
ライの瞳がキラリ、新しい光を宿したように煌めいた。
やる気になってる証拠。
そんなライの様子を目に、俺もショウも、それから櫻井までもが満足げな笑みを浮かべていた。



