VOICE・2



――それでもやっぱり、ジッと待つだけってのはすごく不安だし、退屈だ。

あれからひと月近く。東條からの連絡は一切なくて、こっちから連絡してもいつも留守電。折り返しの電話もなし。

その間俺たちは淡々と相変わらずの仕事をこなす毎日を過ごしていた。

ニューアルバムも発売されて、売れ行きは好調。
その反面俺はどんどん落ち込んでいってた。

「なぁ……もしかして東條って、新手の詐欺?」

思わずそんなことを呟いてしまった俺に、テレビ番組の出番を待つ控え室でショウは苦笑した。

「なにそれ?だったらオマエ、なんか盗られたの?」

「いや……期待感とか、信頼とか?」

間抜けな答えを返したらショウがますます眉をはの字にしてこっちを見た。

「大丈夫だって。もうちょっと信用してやったら?」

「そうだけど……なーんか、アイツまだ隠してることがありそうなんだよなぁ……」

「タキの勘は当たるからなぁ」

そう言いながらショウは笑いながら抱えていたベースをジャカジャカ掻き鳴らした。