「お前…それって今日の前座バンドの女だったりしねぇだろうな……?」

確かベースが女だって聞いたはず。俺は櫻井に目線で問い掛けると。

「タキさんビンゴです…PRISONERの歌夜ちゃんに惚れたみたいですよ、ライさん…」

……やっぱり。

俺は先程話した二人を思い出す。

あの二人は手強そうだぞ……。

「ライ……やめとけ、あっちのメンバーが黙ってなさそうだ」

俺がキッパリそう告げると、キッと鋭い視線をこっちに向け、ライは言い放つ。

「イヤだ。俺はあの女、手に入れる。それに俺の顔見てめちゃくちゃ喜んでたし」

自信満々だ…。

「そりゃお前に会えば誰だって喜ぶだろうよ…」

俺は深い溜め息を長~く吐き出した……。