VOICE・2



「いや、かなりヤバかった。手は震えるし、足もガタガタだし、吐き気はするし……」

今だってほら、とライは煙草を挟んでいない方の手のひらをテーブルの上に差し出す。その手指が小刻みに震えているのがはっきり分かる。

「……よく最後まで歌えたな……偉い」

「偉いって……俺はガキかよ」

口を尖らせ、俺をじろりと横目で睨んでくるライ。
その動作がガキくさいんだっての。

そう思ったことは口には出さずに、俺はライの柔らかい髪をクシャクシャッと掻きまわしてやった。

「なっ!?ウザッ!やめろってバカ!」

「ちっちゃいなぁ頭、うらやまし~い」

「なんだよそれ?!意味わかんね……」

「……なぁ、ライ。オマエちゃんとみんなに愛されてんじゃん。よかったなぁ」

急に俺が真面目な口調になったから、ライが驚いて目を丸くしてこっちを見た。