VOICE・2



「……っよし!オマエらまだまだ騒いでいけるな!?いいか?ついて来いよ!!」


照れ隠しか、少し斜め上を向きながら、ライが叫んだ。
それを合図に俺はギターを持つ手に力を込める。


案外、チャラチャラしてそうなファンたちも、本当は俺たちのこと本気で好きでいてくれるのかもしれない。
そう感じたから、送り出すメロディーにもっともっと気持ちを込めなきゃなんない、と思った。


今更気付くなよって感じだよな、ったく。俺ってめっちゃ馬鹿だ。


そう思ったら、不意に東條に言われた言葉が思い浮かんだ。


本気で抜け出したいなら……。


もっと自分たちのやりたい音楽……。


俺のやりたい音楽って………。








どうすればいいんだろう……?