そんな中、会場の後ろの方から投げ掛けられた声。
「ライが元気ならそれでいいんだよー!!」
「謝らないでいいし!!」
その声に、他の奴らも次第に笑顔で頷きだした。
しまいには、クリスカコールならぬ、ライコールになってしまう。
すげぇな……。
それをポカンとして見ていたボーカリストに、スッとショウが近寄った。
その耳に何か囁いたんだろう、ふと我に返ったように、ライが一度足元を見て、また顔を上げた。
「……ありがと」
フワリ、今までにファンには見せたことがないような笑顔になった。
その様子をまるで観客のように眺めていた俺は、無償に嬉しくなった。
ライ、すっげぇ愛されてんじゃん、って。



