VOICE・2



そんな中、会場の後ろの方から投げ掛けられた声。


「ライが元気ならそれでいいんだよー!!」


「謝らないでいいし!!」


その声に、他の奴らも次第に笑顔で頷きだした。
しまいには、クリスカコールならぬ、ライコールになってしまう。


すげぇな……。


それをポカンとして見ていたボーカリストに、スッとショウが近寄った。
その耳に何か囁いたんだろう、ふと我に返ったように、ライが一度足元を見て、また顔を上げた。


「……ありがと」


フワリ、今までにファンには見せたことがないような笑顔になった。


その様子をまるで観客のように眺めていた俺は、無償に嬉しくなった。


ライ、すっげぇ愛されてんじゃん、って。