VOICE・2



そして、ライがステージに現れた。いつもより更にイイ笑顔を浮かべて。


おいおい!それ反則じゃん?


そんなツッコミを心の中で入れながら、ライの様子を見ていると。


「おいお前ら!!今日はぶっ飛んでイクまで暴れてけよっ!」


うわ、気合い入りまくってる。


思わず苦笑いを浮かべて、ショウを見ると、同じ様に笑いながら肩をすくめていた。


「いくぞ!!」


その声と同時に、ライの右腕が上がる。
そして立てた人差し指が振り下ろされた瞬間、背中を押すようにドラムの重いリズムが打ち出された。


ゾワリ、背中から生の音が襲ってくる。


やっぱ生ドラムはイイ。


そのリズムに乗せ、俺は弦に指を走らせ、音を弾き出す。


追い立てるようにショウのベース音が絡みついてくる。


いつもより緊張感が高いせいだろうか?一発目からボルテージがギリギリだ!