そして、ライがステージに現れた。いつもより更にイイ笑顔を浮かべて。
おいおい!それ反則じゃん?
そんなツッコミを心の中で入れながら、ライの様子を見ていると。
「おいお前ら!!今日はぶっ飛んでイクまで暴れてけよっ!」
うわ、気合い入りまくってる。
思わず苦笑いを浮かべて、ショウを見ると、同じ様に笑いながら肩をすくめていた。
「いくぞ!!」
その声と同時に、ライの右腕が上がる。
そして立てた人差し指が振り下ろされた瞬間、背中を押すようにドラムの重いリズムが打ち出された。
ゾワリ、背中から生の音が襲ってくる。
やっぱ生ドラムはイイ。
そのリズムに乗せ、俺は弦に指を走らせ、音を弾き出す。
追い立てるようにショウのベース音が絡みついてくる。
いつもより緊張感が高いせいだろうか?一発目からボルテージがギリギリだ!



