って、そんなことでライブをフけるわけにもいかず、俺は着替えを済ませヘアメイクも終わらせ、楽屋でまったりしていた。
時刻は5時半を過ぎていた。今日の開場は5時、開演は6時だ。
刻々と近づくライブ本番に、いつになく緊張している自分がいた。
チラッとまた時計に目をやる。さっき見た時から1分しか経ってない。
「時間気にし過ぎだ、タキ」
ショウが相変わらず煙草片手に視線を送ってきた。
その顔が苦笑いを浮かべている。
「ま、緊張するのはわかるけどな……。にしても本当に来るのかねぇ、アイツ」
その言葉にテーブルの真正面に座ってるライの眉がピクリと反応する。
なんだよ、結局みんな気になってんじゃん……。
「……なぁ、マジで彩都が来たとして、どうすんだよ?」
「どうするって?」
ショウが椅子の背から体を起こしながら、微かに首を傾げた。
ライはあくまで無関心を装って、携帯電話をいじっている。
「だからさ、ライブ後に海斗たち楽屋に来るんだろ?そこで彩都と顔合わせて……どうすんだよ?」



