VOICE・2



そんなことより……。

「ね、なんでアンタここにいんの?今日は取材入ってないだろ?」

コイツがいたらまたライが動揺するじゃん。

「ん~?まあ、仕事じゃないんだけど……、ちょっとね」

はぐらかすように視線をあっちこっちへとさ迷わせる。

どう見たって怪しい。

「またなんか企んでるんだったら、俺許さないけど?」

「やっだなぁ、そんなに睨まないでくれよ。今日は大人しく見てるだけだってば!」

「ホントかよ。大体アンタ、そんなに有名でもない雑誌の記者なのになんで俺たちにくっついてこれるわけ?」

そういえば櫻井が言ってたな、コイツどっかにコネがあるんじゃないかって。

それを思い出しながら東條を見れば、ニンマリと不敵な笑みを口元に浮かべ、すい、とスーツの腕を動かした。

その腕が不意に俺の顔に近付いてくる。

「な……っ?!」