「……………」
「……………」
歌番組の生放送が終わった直後、俺達は即座に楽屋へと戻ってきていた。
相変わらずライは死んだような目をしてどことはなしに視線を泳がせたまま。
ショウは椅子の背にもたれ、無表情に煙草をくわえてた。その顔からは何の感情も読み取れない。
ちょっと……なんだよこの空気。めちゃくちゃ気まずくねぇ?
俺はショウの隣に腰掛けたまま、煙草を吸う気にもなれずに目の前に置かれた水のペットボトルを睨みつけていた。
そんな沈黙を破ったのは、ふうっ、と紫煙を吐き出したショウの声。
「ライ」
いきなり呼ばれた自分の名前に、ライはピクリと肩を震わせた。
その目は宙に注がれたまま。
返事をする気配はなかった。
「ライ、聞こえてる?」
再度ショウが声を掛ける。少しだけ硬い声音で。
「…………なに?」
ポツリ、小さな返事がライの唇からこぼれ落ちた。



