VOICE・2






なんで悪い事が起きると、それに引き寄せられるようにまた、良くない事が起こるんだろう?





俺たちは音楽番組のスタジオに立ってた。
司会の男性アナウンサーと、最近売れてきたっていうどっかのアイドル。名前も知らない。

どこかで聞いたことあるような、おざなりな言葉の陳列を、俺とショウは偽者の仮面でやり過ごす。
ライはどこか遠くを見るような目つきのまま、無表情を決め込んでた。
ま、無表情はいつものことだから司会者たちも気にしていないようだけど、楽屋にいる時からの虚ろな目つきが気がかりだった。

……大丈夫か?

生放送だけに突然変なこと、言いやしないかと気が気じゃなかった。

「さ、それでは歌の準備をお願いしますねー」

能天気なアイドルの声に、俺たちは最後に笑顔で答え、ステージセットへと向かった。