VOICE・2



「アレ?自覚ない?」

「は?自覚ない?」

まるでオウム返し。
目を点にしてる俺を、ショウは呆れたように目を細めて軽く睨み付けてきた。

な、なんでそんな顔してんだよ?!

「タキ……オマエ、今ここでライの歌とあのガキの歌、どっちが好きかって訊かれたらなんて答える?」

「え………」

ライと海斗……の歌?

思わず立ち止まって、俺は二人の歌声を思い浮かべた。

でも、俺が口を開くより早くショウが言葉を継ぐ。

「オマエ、今、海斗の歌のが好きだろ?」

「な……んなことっ!!」

そんなわけない。

そう言いたかったけど……。





言えなかった。