VOICE・2



「おかしいなぁ、僕の方の情報とはちがうなぁ」

「は?何言ってんの?」

ワザとらしく首を捻る東條の言葉は、ライの興味を引くように続けられる。

っくそ!コイツなんかに言わせてたまるか!

「おい!てめぇくだらねぇこと喋ってる暇があるんだったら、さっさと帰って仕事しろよ!俺たちはオマエの御託に付き合ってる暇なんてねぇ!」

俺はツカツカとライの前に出て、東條のまん前からその顔を見下ろす。
ありったけの怒りを込めて。

しかし、それがいけなかったのか。
東條はいやらしい目つきで俺と、ドアの前で無表情を決め込んでるショウを交互に見た。そして。

「おやぁ?なに焦ってるんですか?もしかしてタキさんとショウさんは知ってるんじゃないですか、彩都さんの本当のこと」

「なっ……、んなわけねぇだろ!!」

「ホントにぃ?だったら尚更教えてあげたいなぁ、……彼が今とんでもない駄目人間だってこと」





――最低だ。このクソ野郎。