「仲いいですねぇ皆さん。彩都さんがいた時もそんな感じだったんですか?」
ピクリ、俺たち三人とも一瞬で固まったように口を閉じた。
再び先ほどの椅子に座っている東條を、最初に振り返ったのはライ。
「んだと、てめぇ?」
「ライ、やめろって」
挑発に乗るな。そう小声で囁く俺の声を無視して、ライは東條に向かっていた。
「アイツの名前、オマエなんかが二度と口にするな」
低い声でそう告げたライに、東條は冷たい光を浮かべた瞳でニヤリと笑う。ろくなこと考えてないな、って顔。
そのつりあがった口元を開いて、ヤツはまた話しだそうとする。
聞かない方がいい。
「ライ!こんなヤツ相手にするなって!さっさと楽屋に戻ろうぜ」
俺は東條の言葉を遮るようにライの腕を掴んでひっぱる。
ショウも東條を無視するように、もう一度ドアの方へ体を向けた。
「知ってます?彩都さんが今何をしてるのか?」
………!!やばっ!!
「は?そんなこと……。アイツは今カメラマン目指して頑張ってんだよ、余計な詮索すんなよ!」
ライは俺が以前誤魔化した通りの言葉を、東條に向けて言い放った。
その瞬間、ヤツの眉がピクリとあがって、口元が更に笑みの形に変わった。
それを見てマズイと思った。
コイツは本当のこと、知ってやがる!!



