VOICE・2


「で、どの曲になった?」

「あぁ、“game”になった」

「あぁ……」

やっぱり、と口にしそうになった。その曲はライが以前歌いたくねぇ、って言ってたあの曲だった。

「作詞があの人だから、ね……」

ショウが苦笑いで溜め息をつく。その横でライが苦々しい顔をして座り込んだ。

“game”を作詞したのは亀山慎吾っていう、業界では名の通ってる作詞家だったりする。詞が書けなくなったライの替わりに、俺たちの音楽に詞をつけてくれてる一人。

その辺のアイドルだったり、バンドだったり、彼に裏で書いてもらってるヤツは結構いるらしい。

「逆らえない、か」

俺も同じように苦笑いで返してから、ショウの向かいに腰を下ろした。