VOICE・2



ったく、なんで俺は自分のマネージャーにまで気ぃ使ってんだ?

ふう、とここ最近癖になってる溜め息を深く吐き出せば、勢い良くドアが開いてライが飛び込んできた。
その顔は満面の笑み。

「悪い櫻井、出して」

そう声を掛けた後、一人ケータイのディスプレイを覗き込みながらにんまりする。

「キモッ!!オマエその顔外ですんなよ」

「は?ってか、歌夜のメアドと番号ゲットだぜ!これでアイツ、オトしたも同然だな!」

どっからその自身が出てくる……?

俺は呆れてライに忠告をしてやる。

「あの子はそう簡単にいかねぇぞ、たぶん」

「あ?なんで?」

「姫を守るナイトが二人、いや三人もいるからなぁ」

なにそれ?と眉を寄せるライの顔を眺めながら、俺はアイツらの顔を思い出す。

歌夜も大変だな……。

なんて、どうでもいいことを心配してしまう俺だった。