ったく、なんで俺は自分のマネージャーにまで気ぃ使ってんだ?
ふう、とここ最近癖になってる溜め息を深く吐き出せば、勢い良くドアが開いてライが飛び込んできた。
その顔は満面の笑み。
「悪い櫻井、出して」
そう声を掛けた後、一人ケータイのディスプレイを覗き込みながらにんまりする。
「キモッ!!オマエその顔外ですんなよ」
「は?ってか、歌夜のメアドと番号ゲットだぜ!これでアイツ、オトしたも同然だな!」
どっからその自身が出てくる……?
俺は呆れてライに忠告をしてやる。
「あの子はそう簡単にいかねぇぞ、たぶん」
「あ?なんで?」
「姫を守るナイトが二人、いや三人もいるからなぁ」
なにそれ?と眉を寄せるライの顔を眺めながら、俺はアイツらの顔を思い出す。
歌夜も大変だな……。
なんて、どうでもいいことを心配してしまう俺だった。



