VOICE・2



相変わらず仏頂面のライ。その顔を見ながら俺は何故か思った。
今話してしまおう、って。

本当にふと、決心がついた。
今日この後でまた東條に会わなきゃいけないってのもあったかもしれない。

漠然とした予感?
話しておいた方がいい。
そう思った。

「な、ライ」

「あ?なに?」

窓に肘をついたまま、隣の席からこっちに視線を向けたライに、俺は一度だけゴクリ、唾を飲み込んでからゆっくり口を開いた。

「あのさ……実はこの前の…」

「あっ!!!」

いきなり運転席のマネージャーがでけぇ声をあげる。

なんだよ、このタイミングで!?

そんなツッコミを胸の中で入れてから、櫻井を見る。

「どうかしたのか?」