「コネ?ウチの事務所にってこと?」
「多分……誰と知り合いなのかはよく分からないんですけど……」
苦笑いで答える櫻井に、俺は窓の外に視線を移して片手でこめかみを押さえた。
マジ会いたくねぇ……。な~んか頭痛くなってきた。
――数分後、車はライの住むマンションの前に停まった。
ライの姿はない。
「僕、呼んできますね」
そう言って櫻井は足早にマンションのエントランスを抜けていった。
誰もいなくなった車内、俺はぼんやりと窓の外を眺めてた。
……いつ話そう…。
ここ数日ずっと考えてる。
ライに、本当のことをいつ話そうかって。
路上ライブについてはあの翌日にショウがうまいこと説明してくれて、なんとか機嫌は直っていたんだけど……。
彩都のこと話したら……また荒れるよなぁ…。とりあえずアルバム完成までは静かにしててもらいたいけど……無理か?
フッ、と小さく溜め息を吐いた瞬間。
ガチャ、とドアの開く音と共に、ライの声。
「オッス……」
「……はよ」



