VOICE・2


「でもさ」

ふと、気付いたようにショウが顔を上げて俺を見た。

「なんでカメラ?彩都って写真に興味あった?」

「あぁ、それか。そっか、ショウは知らないか」

俺は軽く頷いてから口を開く。

俺と彩都は中学の頃からの付き合いだった。俺が中3の時、彩都は中1。
つまりアイツはライと同い年。

「アイツさあ、俺がバンド誘うまでずっと写真やってたんだよ。親父さんのだったかな?家にあった古い一眼レフ見つけてさ。それからハマッたって言ってた」

「へぇ……初耳」

「俺も初めて話した。……アイツの写真、結構イケてたんだよなぁ。たぶん、バンドやってなかったらマジでカメラマンになってたんじゃないかな」

だから珪甫は彩都に写真を撮らせたんだ。
少しでも興味あるものに触れたらアイツも変わるかもしれないって……。