「なんで…てめぇがんなこと知ってんだよ……」
無意識に声が低くなる。
苛立ちが湧き上がってくるのが分かった。
「ふふ、僕達の情報網をナメてもらったら困るね、イロイロとあるんだ、繋がりが、ね」
第一印象とは全く違う、冷たい光を含んだ瞳が笑った。
そして更に東條は口を開く。
「で?どうだった?海斗くんとのセッションは」
「……っ、別に。……普通だよ」
「海斗くんの声にハマっちゃった?」
………!!
「てめっ!!」
ガタン!
派手な音を立てて立ち上がった俺は、思わず目の前のヤツの襟元を掴んでいた。
ザワッとスタジオ内が動揺するのがわかる。
「わ、ちょっ!タキさん!?」
櫻井が慌てて駆け寄って来るが、そんなことどうでもいい。
「図星?」
間近でそう囁いた東條の声。
次の瞬間には俺の右の拳がヤツの左頬に入ってた………。



