VOICE・2



ライの様子が少しおかしかった。横顔しか見えないけど、それが強張っているのがわかる。
対する東條の表情は先程と同じ、柔らかい笑みを浮かべたまま口を動かしていた。

なんか、やな感じだな、アイツ。

ライのことが気になりながらも、俺の撮影は淡々と進んだ。

「じゃ、次はタキさんとショウさんの二人でお願いしまーす」

そんなスタッフの声に、どこに控えていたんだか、ショウがするりと俺の横に立った。

完璧な悩殺スマイルを浮かべるショウに、ポーズを取りながらも小声で話しかける。

「なぁ、アイツ大丈夫か?」

「……さぁ、あのライターぼやっとしてそうで結構鋭そうだな」

口元に笑みを張り付かせながらも、ショウは硬い声を出す。

……なんか妙なこと聞かれてなきゃいいけど…。





俺の嫌な予感は当たるんだ、マジで。